「閑古鳥 が 鳴く」とは?意味・例文・使い方・類義語・英語も解説!

「閑古鳥が鳴く」という表現は、日常生活やビジネスの場面でも頻繁に使われる言葉です。

この言葉が持つ意味や、どのような場面で適切に使えるのかを正確に理解することで、より効果的にコミュニケーションに活かすことができます。

この記事では、「閑古鳥が鳴く」の意味や使い方、具体的な例文、類義語、さらに英語での表現まで、詳しく解説していきます。

ことわざ「閑古鳥 が 鳴く」の意味・読み方

意味:(店などが)さびれて寂しい。 出典:デイリーコンサイス国語辞典

「閑古鳥が鳴く」ということわざは、場所が非常に静まり返っていて、人の気配がまったくない状況を表す言葉です。

特に、商売やビジネスで客足が途絶え、活気がない状態を指す際に使われることが多いです。

閑古鳥(かんこどり)は、実際にはカッコウという鳥を指しますが、この表現の中では、何もない寂しい場所で鳥の鳴き声だけが聞こえる様子を強調しています。

「閑古鳥 が 鳴く」の使い方・例文を紹介

「閑古鳥が鳴く」は、人が集まらない静まり返った状況を表すときに使われる表現です。

特に商売やイベントがうまくいっていない場合、または場所に活気がないときに用いられることが多く、その寂しい様子を強調します。

ビジネスシーンでは、お店の売り上げが低迷している状態や集客が少ない状況を描写する際にもよく使われます。

使い方のポイント:

  • 主に人の気配がない場所や、売り上げが落ち込んでいる状況を表現する際に使用します。
  • 比喩的な意味で使われ、実際に「閑古鳥」が鳴いているわけではありません。
  • ネガティブな状況を伝えるニュアンスがあるため、慎重に使う必要があります。

次に、「閑古鳥が鳴く」を使った例文をご紹介します。

 先月は売上が好調だったが、今月はまるで閑古鳥が鳴いているような状況だ。
平日の昼間の映画館は、閑古鳥が鳴くほど人が少なかった。
新しい飲食店がオープンしたが、人気が出ず、店内は閑古鳥が鳴いていた
台風の日は、どの商店街も閑古鳥が鳴くほど閑散としていた。

「閑古鳥 が 鳴く」の類義語や言い換えは?

「閑古鳥が鳴く」は、人が集まらず寂しい状況や、活気がない場所を表す言葉です。

このようなシチュエーションを表現する際に使える類義語や言い換え表現も多数あります。

ここでは、意味が近い言葉や、同様の状況を表現できる表現をいくつか紹介します。

類義語言い換え例文
門前雀羅を張る(もんぜんじゃくらをはる)人が集まらず、非常に寂しい状態を表す表現です。「雀羅」はスズメを捕るための網のことで、もともと人が集まって賑わっていた場所が、人通りが絶え、スズメしかいないほど閑散としている様子を表します。昔は参拝客で賑わっていた神社も、今では門前雀羅を張るような状態だ。
客足が遠のく(きゃくあしがとおのく)以前は頻繁に訪れていた客が来なくなり、商売や店舗が閑散とすることを意味します。人々が集まらなくなって、売り上げや賑わいが減少する状況を表現します。新しい競合店がオープンして以来、私たちの店は客足が遠のいてしまった。
寂れる(さびれる)活気がなくなり、寂しい状態になること。あの商店街は昔は賑わっていたが、今ではすっかり寂れてしまった。
人影もまばら(ひとかげもまばら)人がほとんどいないこと。平日の朝早い駅前は、人影もまばらだった。
閑散(かんさん)人がいなくて、ひっそりとしている様子。閑散としたオフィス街は、休日のような静けさだった。
ガラガラ場所にほとんど人がいないこと。休日のショッピングモールは混んでいたが、平日はガラガラだった。
廃れる(すたれる)時代遅れになり、使われなくなること。昔流行った商店街も今ではすっかり廃れてしまった。

「閑古鳥 が 鳴く」の由来・語源

「閑古鳥が鳴く」という表現は、静まり返って人がいない場所や活気のない状態を示す言葉です。

この言葉には、日本文化や自然に関連した興味深い由来があります。

ここでは、「閑古鳥が鳴く」という言葉がどのようにして生まれたのか、その語源について詳しく見ていきます。

閑古鳥とは?

「閑古鳥(かんこどり)」とは、カッコウ(郭公)という鳥の別名です。

カッコウは主に夏の時期に「カッコー、カッコー」という特徴的な鳴き声で知られる鳥ですが、その鳴き声が寂しさや静けさを連想させることから、「閑古鳥」という名前がついたとされています。

「閑」は「静かで人がいない様子」を表す漢字で、「古鳥」は長い間同じ場所にいることや、古くからいる鳥を意味します。

このことから、カッコウの寂しげな鳴き声が「閑古鳥が鳴く」という表現に繋がりました。

表現の由来

「閑古鳥が鳴く」という表現が使われるようになった背景には、カッコウの鳴き声が人々に寂しい感情を呼び起こすというイメージがありました。

昔の人々は、カッコウの鳴き声を聞くと、周囲が静まり返っていて、人が少ない場所や賑わいが失われた様子を連想したと考えられます。

特に商売がうまくいかず、お店にお客さんが来ないときや、イベントなどで人が集まらず閑散としている状況に対して、「閑古鳥が鳴く」と比喩的に表現されるようになりました。

この表現は、自然の音や風景を比喩として使う日本語独特の感覚に基づいています。

日本では、自然の移り変わりやその音が季節感や感情に深く結びついており、カッコウのような鳥の鳴き声も感情表現として用いられました。

商店や市場が賑やかだった時期が過ぎ去り、静かで人がいない状況が「閑古鳥の鳴く寂しい場所」として広く定着したのです。

「閑古鳥 が 鳴く」に関するQ&A

  • 「閑古鳥」ってどんな鳥?
  • 「閑古鳥 が 鳴く」を英語で言うと?

「閑古鳥 が 鳴く」に関するよくある疑問は上記の通りです。

ここからそれぞれの疑問について詳しく解説していきます。

「閑古鳥」ってどんな鳥?

「閑古鳥(かんこどり)が鳴く」という表現は日常生活でよく使われますが、実際に「閑古鳥」がどんな鳥なのかをご存じでしょうか?

ここでは、この表現の元となった鳥、「閑古鳥」について詳しく解説します。

閑古鳥(かんこどり)は「カッコウ」

「閑古鳥」とは、実際には「カッコウ(郭公)」という鳥を指します。

カッコウは、世界中で広く分布している鳥で、日本にも夏鳥として訪れます。

日本では、初夏になるとその特徴的な鳴き声を聞くことができ、特に「カッコー、カッコー」と繰り返し鳴く声が有名です。

カッコウは、その声から「時鳥(ホトトギス)」や「郭公」とも呼ばれることがあります。

カッコウの特徴

  • 分類: カッコウ科の鳥で、学名は Cuculus canorus。
  • 大きさ: 全長約30cm前後で、スリムな体型を持っています。
  • 色: 背中は灰褐色、腹部は白く、黒い横縞があります。飛んでいる姿は、タカに似ているため、タカと間違えられることもあります。
  • 生態: カッコウは、独特の繁殖行動を持つ鳥です。
    自分で巣を作ることはなく、他の鳥の巣に卵を産みつけ、その親鳥に育てさせる「托卵(たくらん)」という習性があります。
    托卵先として、ウグイスやモズ、ホオジロなどが知られています。

カッコウの鳴き声と「閑古鳥」の関係

カッコウの鳴き声は、昔から人々に寂しさや静けさを感じさせるものでした。

特に、山中や田舎の静かな場所で聞こえることが多く、その鳴き声が響くことで、一層静寂さが際立つように感じられるため、「閑古鳥が鳴く」という表現が生まれました。

カッコウは、その特徴的な鳴き声や托卵という独特の習性から、日本や他の国々でも古くから詩歌や物語に登場してきました。

日本の和歌や俳句の中でも、カッコウの声が季節感や感情を表す要素としてしばしば取り上げられています。

「閑古鳥 が 鳴く」を英語で言うと?

「閑古鳥が鳴く」という表現は、日本語独特の言い回しですが、同様の意味を持つ英語の表現も存在します。

ここでは、「閑古鳥が鳴く」を英語でどう表現するか、そしてその背景について詳しく解説します。

英語表現意味例文
Dead as a doornail(人気がない、もう使われていない)最も一般的な表現の一つが「dead as a doornail」。doornail(ドアのくぎ)とは木製のドアに取り付けられたプレートやノブのことで、このフレーズは、「完全に死んでいる」という意味、何かが全く機能していない、または活気がない状態を示す。The old store was dead as a doornail after the new mall opened.
(新しいモールがオープンした後、その古い店は閑古鳥が鳴いていた。)
Ghost town(幽霊の町)このフレーズは、以前は賑わっていた場所が人がほとんどいなくなり、まるで幽霊のように静まり返っている様子を表します。After the festival, the town became a ghost town.
(祭りが終わった後、その町は閑古鳥が鳴くようになった。)
Quiet as a mouse(ネズミのように静か)非常に静かで、まるでネズミのように音を立てない様子を表現します。直接的な意味合いは異なりますが、静けさを強調する際に使えます。 The library was as quiet as a mouse, with no one around.
(図書館は閑古鳥が鳴くように静かだった。)
(business is) slow(景気が悪い)slowは一般的には「遅い」という意味だが、ビジネスシーンで使われる時には、「景気が悪い」「活気がない」「客足が振るわない」という意味で使われる。Business is slow.(景気が悪い)
be in a slump (of a business)(不振にある)「be in a slump」とは、「不振である」や「低迷している」という意味で、businessでは売上や利益が減少し、業績が悪化・低迷しているという意味。After the pandemic, many local shops found themselves in a slump of business(.パンデミックの後、多くの地元の店がビジネスの低迷に直面した)

まとめ:「閑古鳥 が 鳴く」の意味を理解しよう

「閑古鳥が鳴く」とは、静かで寂れた状態を表す言葉で、特にお店や商売でお客さんがいない様子を指します。

この表現の由来は、カッコウの鳴き声の寂しさにあります。

「閑古鳥が鳴く」には、「商売が繁盛していない」や「お客さんがいない」といったネガティブな意味合いが含まれているため、使う際には注意が必要です。

会話の中でこの言葉を使う際は、周囲に不快な印象を与えないよう配慮し、適切な場面を選ぶことが重要です。

このように、「閑古鳥が鳴く」の意味を正しく理解し、使いこなしていきましょう。