雌雄を決すの意味とは?例文、使い方、対義語、類義語、英文も紹介!

勝つか負けるか、白黒はっきりつける――そんな真剣勝負の場面で使われる表現が「雌雄を決す(しゆうをけっす)」です。

この慣用句は、スポーツの試合やビジネスの競争、あるいは物語のクライマックスなど、勝敗が決まる重要な局面で耳にすることが多いのではないでしょうか。

本記事では、「雌雄を決す」の意味や語源、具体的な使い方から、例文、類義語・対義語、さらには英語表現まで、幅広く丁寧に解説します。

正しく理解して、場面に応じた適切な使い方ができるようになりましょう!

慣用句「雌雄を決す」の読み・意味は?

意味:勝敗を決める。出典:デイリーコンサイス国語辞典

「雌雄を決す」は、「しゆうをけっす」と読みます。

やや古風な響きがあり、現代の日常会話ではあまり頻繁には使われませんが、ニュースや文章、文学作品、またはスポーツや勝負事に関連した場面では今も見かける表現です。

「雌雄を決す」の意味は、勝敗・優劣・優勝劣敗をはっきり決めることを意味する慣用句です。

ここでの「雌雄(しゆう)」とは、動物の「メス(雌)とオス(雄)」を意味しており、古くは戦いなどでどちらが強いか、つまりどちらが「雄(=勝者)」かを決めるという意味合いから生まれました。

転じて、人間同士やチーム、組織、国家間の競争・勝負における決着をつけることを表すようになりました。

意味を整理すると…

  • 勝ち負けを決める
  • どちらが優れているか明確にする
  • はっきりと決着をつける

というニュアンスがあり、単なる「争い」ではなく、最終的な決着を意識した場面で用いられます

次章では、この「雌雄を決す」を実際にどのように使えばよいか、例文や使い方のポイントを紹介していきます。

「雌雄を決す」の例文・使い方

「雌雄を決す」は、ややフォーマルな表現であり、特に勝敗・優劣・決着といった場面で使用されます。

この章では、実際にどのように使われるのかを、具体的な例文とともに紹介します。

例文①:スポーツの場面での使い方

両者の実力は伯仲しており、決勝戦で雌雄を決することになる。
王者と挑戦者が、ついにリング上で雌雄を決する時が来た。

例文②:ビジネス・競争の場面での使い方

次のプロジェクトで、どちらのチームがより成果を上げるか、雌雄を決す勝負となるだろう。
2社の技術力が拮抗する中、新商品の売上で雌雄を決することになる。

例文③:歴史や物語、文学的な表現としての使用

両軍は幾度もの小競り合いを経て、ついに戦場で雌雄を決した
宿命のライバルたちは、運命に導かれるように再び出会い、雌雄を決すことになる。

 

「雌雄を決す」の使い方のポイント

  • 基本的には「雌雄を決す(決する)」という形で用いられる
  • 主にスポーツ、選挙、ビジネスなど勝敗や優劣が問われる局面で使われる
  • 文語的・書き言葉的な響きがあるため、論文・スピーチ・報道文などでよく見られる

 

使うときの注意点

「雌雄を決める」という表現は一般的ではなく、「決す(または決する)」が正しい形です。

日常会話で多用するとやや堅苦しく感じられるため、文脈や相手に応じた使い分けが必要です。

「雌雄を決す」の同義語・言い換えや類義語は?

「雌雄を決す(しゆうをけっす)」は、勝敗や優劣に決着をつけるという意味をもつ表現ですが、日常会話や異なる文体で表現したいときには、他の言い回しや類義語を使いたい場面もあります。

この章では、「雌雄を決す」と意味が似ている表現や、状況に応じた言い換え表現を紹介します。

同義語・類義語意味例文
決着をつける勝ち負けをはっきりさせる両者の対立に、ついに決着をつけるときが来た。
白黒をつける曖昧な状態に結論を出す この議論にはそろそろ白黒をつける必要がある。
勝敗を決する どちらが勝つかを決める この試合で優勝がかかった勝敗を決する一戦になる。
優劣を決める どちらが優れているかを判断する コンテストで両者の優劣を決めるのは難しい。

「雌雄を決す」はやや古風・硬めの表現ですが、以下のような言い換えも可能です:

・勝負をつける

・はっきりさせる

・ガチンコ勝負をする(口語的・くだけた表現)

・決戦に挑む

「白黒をつける」や「勝負をつける」は、日常的で汎用性が高い一方で、「雌雄を決す」ほどの文語的な重みや格式ばった雰囲気はありません。

文章のトーンや対象読者に応じて、適切な表現を選びましょう。

「雌雄を決す」の由来・語源は?

「雌雄を決す」という表現は、もともと生き物の「雌(めす)」と「雄(おす)」の違いに由来しています。

動物の世界では、特に雄同士が縄張り争いや繁殖のために争う行動がよく見られます。

このような争いでは、強い方が「雄」として認められ、弱い方は「雌」に劣ると見なされるような価値観が、古代には存在していました。

つまり、古代には、「雄=強い(勝者)」「雌=弱い(敗者)」という価値観があり、そこから「雌雄を決す」は、勝敗や優劣をはっきりさせるという意味で使われるようになりました。

 

また、この表現は中国の歴史書『史記』に登場するエピソードにも見られます。

『史記』の「項羽本紀」には、楚の武将・項羽が漢の劉邦との決戦を前に、

吾今與漢王挑戦,決雌雄。」(いま、わが力をもって漢王と雌雄を決せん)

と述べたとされており、ここでの「雌雄を決す」は、まさに勝敗を一騎打ちで決するという意味で使われています。

このように、動物の行動や古代の価値観、さらには古典の用例を通じて、「雌雄を決す」は「最終的な勝敗を決する」「どちらが優れているかをはっきりさせる」といった意味で現代まで伝わってきたのです。

「雌雄を決す」に関するQ&A

  • 「雌雄を決す」の対義語・反対語は?
  • 「雌雄を決す」を英語・中国語で言うと?

「雌雄を決す 」に関するよくある疑問は上記の通りです。

ここからそれぞれの疑問について詳しく解説していきます。

「雌雄を決す」の対義語・反対語は?

対義語・反対語意味例文
玉虫色の決着(たまむしいろのけっちゃく)どちらにも偏らず、あえて結論を曖昧にしたまままとめること。利害関係の対立がある場面で、波風を立てないようにする妥協的な決着。意見は対立したが、最終的には玉虫色の決着に落ち着いた。
痛み分け(いたみわけ)双方が勝負を決めきれず、引き分けになること。または、お互いに損失を出して妥協すること。 試合はどちらも譲らず、痛み分けに終わった。
有耶無耶にする(うやむやにする)問題や物事の決着を曖昧なままにして、はっきりさせずに済ませること。トラブルの責任は結局、有耶無耶にされてしまった。
棚上げにする(たなあげにする)議論や問題を解決せずに、そのまま放置すること。一時的に扱うのを避ける場合にも使う。意見の対立が続き、その問題は棚上げにされることになった。

「雌雄を決す」を英語・中国語で言うと?

「雌雄を決す(しゆうをけっす)」は、英語や中国語にも、これと近いニュアンスをもつ表現があります。

以下に言語別にご紹介します。

英語表現意味例文
have a showdown最終決戦・対決に臨み、白黒をつけること。The two teams will have a showdown in the championship game.
(その2チームは決勝戦で雌雄を決することになる。)
settle the score以前の因縁や競争に決着をつけること。After years of rivalry, they finally met to settle the score.
(長年のライバル関係に、ついに決着をつけるときが来た。)
fight it outとことん戦って勝敗を決めること。They decided to fight it out in court.
(彼らは法廷で雌雄を決することにした。)
determine the outcome物事の結果(勝ち負けなど)を決定する。This debate will determine the outcome of the election.
(この討論が選挙の勝敗を決するだろう。)

 

中国語表現意味例文
决一雌雄(jué yī cī xióng)どちらが勝つかはっきりさせる。勝負を決める。他们将在决赛中决一雌雄
 (彼らは決勝戦で雌雄を決することになる。)
一决高下(yì jué gāo xià)どちらが優れているか、実力を競って決める。我们在比赛中一决高下
 (私たちは試合で優劣を決する。)
分出胜负(fēn chū shèng fù)勝敗をはっきりさせる。经过激烈的比拼,终于分出胜负
 (激しい争いの末、ようやく勝敗が決まった。)

まとめ:「雌雄を決す(しゆうをけっす)」の意味・例文を理解しよう

「雌雄を決す」は、勝敗や優劣をはっきりさせる場面で使われる慣用句です。

スポーツやビジネス、政治の文脈などのややフォーマルな表現でよく用いられます。

言葉の背景や使い方を理解することで、より的確に、そして印象深く使えるようになります。

機会があれば、ぜひ実際の会話や文章で使ってみてください。