「埒が明かない」という言葉は、日常会話やビジネスシーンでよく使われます。
聞いたことはあっても、正しい意味や使い方、由来を知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「埒が明かない」の例文や類義語、語源について分かりやすく解説します。
また、英語・中国語・韓国語での言い換えや、似た表現との違いについてもご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
慣用句「埒が明かない 」の読み・意味は?
意味:物事がはかどらない。物事に決まりが突かない。 出典:デイリーコンサイス国語辞典
「埒が明かない(らちがあかない)」とは、物事が進展しない、決着がつかないことを意味する慣用句です。
主に話し合いや交渉が行き詰まったときなどに使われます。
「埒(らち)」という漢字は、もともと馬場を囲む柵や仕切りを指し、「明かない」は「開かない」と同じく、解決しない・決着がつかないことを意味します。
つまり「埒が明かない」は、「物事が区切られた状態から進まない」というニュアンスを持つ表現です。
この言葉はビジネスシーンや日常会話で広く使われ、問題が停滞しているときに使われることが多いです。
例えば、長時間の会議や交渉が進まないときに「このままでは埒が明かないので、別の方法を考えよう」といった形で用いられます。
次の章では、「埒が明かない」を使った例文や実際の使い方について詳しく解説します。
「埒が明かない 」の例文・使い方
「埒が明かない」は、日常会話やビジネスシーンなど、さまざまな場面で使われます。
以下に具体的な例文を紹介します。
日常会話での使用例
ビジネスシーンでの使用例
「埒が明かない」を使った短文
「埒が開かない」は間違い?
「埒が明かない」と「埒が開かない」という表現を耳にすることがありますが、正しいのは「埒が明かない」です。
「埒(らち)」は「物事の枠組み」や「仕切り」を意味し、「明かない」は「決着がつかない、進展しない」という意味を持ちます。
「埒が明かない」は、まさに「物事の決着がつかない、進展しない状態」を表す正しい表現です。
一方、「開かない」は「ドアが開かない」といった物理的な意味で使われることが多く、「埒が開かない」という表現は本来の意味とは異なります。
そのため、「埒が開かない」は誤用とされています。
次の章では、「埒が明かない」の類義語や言い換え表現について詳しく解説します。
「埒が明かない 」の同義語・言い換えや類義語は?
「埒が明かない」は、物事が進展せず、決着がつかない状況を指します。
この表現に似た意味を持つ言葉やフレーズを紹介し、どのように言い換えができるのかを見ていきましょう。
同義語・類義語 | 意味 | 例文 |
行き詰まる(いきづまる) | 物事が進展せず、何も解決しない状態。交渉や議論などが停滞する様子に使われます。 | 話し合いを何度も重ねたが、行き詰まりになった。 |
進展がない(しんてんがない) | 物事が前に進んでいない状態。 | 何度もやり直したが、進展がないままだ。 |
決着がつかない(けっちゃくがつかない) | 問題が解決せず、どちらの方向にも進まない状態。 | この問題は決着がつかないままで終わりそうだ。 |
堂々巡り(どうどうめぐり) | 物事が同じところを繰り返して進展しないこと。何度やっても解決しないことを指します。 | 解決策を話し合っても、堂々巡りになって前に進まない。 |
膠着状態(こうちゃくじょうたい) | 物事が何も進展せず、静止したままで動かない状態。状況が停滞していることを指します。 | 何度も話し合ったが、交渉は膠着状態に陥った。 |
手詰まり(てづまり) | 「打つ手がなくなる」「行き詰まる」といった意味で、特に解決策が尽きた状態を指します。 | 交渉が難航し、手詰まりになった。 |
「埒が明かない」と類似した意味を持つ表現を使う場合、文脈に合ったものを選ぶことが大切です。
それぞれの表現は微妙に異なるニュアンスを持っているため、状況に応じて適切な言葉を選ぶようにしましょう。
次の章では、「埒が明かない」の由来や語源について解説します。
「埒が明かない 」の由来・語源は?
「埒が明かない」の「埒(らち)」は、もともと馬場の周囲を囲む柵や仕切りを指す言葉でした。
そこから転じて、「物事の枠組み」や「決まり」を意味するようになりました。
また「明かない」は、「解決しない・進展しない」という意味を持ちます。
したがって、「埒が明かない」は「物事の仕切りが決まらず、進展しない状態」を表すようになりました。
この表現は江戸時代にはすでに使われており、交渉や問題が進まない場面で用いられるようになりました。
「埒が明く」「埒を明ける」の意味は?
「埒が明かない」に対し、「埒が明く」や「埒を明ける」という表現も存在します。
埒が明く:物事が進展し、決着がつくことを意味します。
埒を明ける:問題を解決するために積極的に動くことを意味します。
「埒が明かない」と対照的な意味を持つ表現として、これらの言葉も併せて覚えておくとよいでしょう。
次の章では、「埒が明かない」の同義語や言い換え表現について解説します。
「埒が明かない 」に関するQ&A
- 「埒が明かない 」の対義語は?
- 「埒があかない」と「箸にも棒にもかからない」の意味の違いとは?
- 「埒が明かない 」を英語、中国語、韓国語で言うと?
「埒が明かない 」に関するよくある疑問は上記の通りです。
ここからそれぞれの疑問について詳しく解説していきます。
「埒が明かない 」の対義語は?
対義語 | 意味 | 例文 |
埒が明く(らちがあく) | 物事が進展し、決着がつくこと。 | ようやく交渉がまとまり、埒が明いた。 |
解決する(かいけつする) | 問題や困難な状況が片付くこと。 | 長年の論争がようやく解決した。 |
片が付く(かたがつく) | 物事が決着すること。 | 話し合いが終わり、ようやく片が付いた。 |
決着がつく(けっちゃくがつく) | 長引いていた問題に結論が出ること。 | ようやく裁判に決着がついた。 |
「埒が明かない」は、進展しない状況を表す言葉ですが、その反対の意味を持つ表現を知っておくことで、会話の幅が広がります。
「埒があかない」と「箸にも棒にもかからない」の意味の違いとは?
「埒があかない」も「箸にも棒にもかからない」も、どちらも「どうにもならない」という意味の慣用句ですが、少しニュアンスが異なります。
「埒が明かない」は、物事が進展せず解決しない状態を指します。
一方、「箸にも棒にもかからない」は、まったく話にならない、手をつけることさえできないほど酷い状態を指します。
例文で違いを比較
- 「何度話し合っても埒が明かないので、仲裁を頼んだ。」(解決しない状態)
- 「彼の計画は箸にも棒にもかからない内容だった。」(あまりに酷くて論外)
このように、似ているようでニュアンスが異なる点に注意が必要です。
「埒が明かない 」を英語・中国語・韓国語で言うと?
ここでは「埒が明かない」という表現を英語、中国語、韓国語でどのように表現するのかを見ていきましょう。
英語表現 | 意味 | 例文 |
Getting nowhere | 進展しない | We’ve been discussing this for hours, but we’re getting nowhere. (何時間も議論しているが、埒が明かない。) |
Going around in circles | 堂々巡りする | This meeting is just going around in circles. (この会議は堂々巡りしていて埒が明かない。) |
No progress is being made | 進展がない | Without new ideas, no progress is being made. (新しいアイデアがなければ、埒が明かない。) |
At a standstill | 行き詰まる | Negotiations are at a standstill. (交渉は埒が明かない状態だ。) |
中国語表現 | 意味 | 例文 |
毫无进展(háo wú jìn zhǎn) | まったく進展がない | 这次谈判毫无进展。 (今回の交渉は埒が明かない。) |
没有结果”(méi yǒu jié guǒ) | 結果が出ない | 讨论了半天还是没有结果。 (長時間議論したが、埒が明かない。) |
原地踏步”(yuán dì tà bù) | 足踏み状態で進まない | 项目原地踏步,无法推进。 (プロジェクトが埒が明かない状態で進まない。) |
韓国語表現 | 意味 | 例文 |
진전이 없다(jinjeon-i eopda) | 進展がない | 이 문제는 아무리 논의해도 진전이 없다. (この問題はどれだけ議論しても埒が明かない。) |
끝이 보이지 않는다(kkeuchi boiji an-neunda) | 終わりが見えない | 회의가 끝이 보이지 않는다. (会議が埒が明かない。) |
제자리걸음이다(jejarigeoreum-ida) | 足踏み状態だ | 우리는 몇 달째 제자리걸음이다. (私たちは数か月間、埒が明かない状態だ。) |
「埒が明かない」は、英語では「getting nowhere」や「going around in circles」、中国語では「毫无进展」や「没有结果」、韓国語では「진전이 없다」や「끝이 보이지 않는다」などと表現できます。
それぞれの言語で微妙なニュアンスが異なるため、文脈に応じて適切な表現を使い分けることが大切です。
まとめ:「埒が明かない 」の意味・例文を理解しよう
以上「埒が明かない」という慣用句について詳しく解説してきました。
「埒が明かない」という言葉は物事が進展せず、決着がつかない状態を表す表現です。
会議や交渉が進まないとき、問題が解決しないときなど、日常やビジネスの場面で広く活用できます。
この記事を参考にして、適切な表現ができるようになりましょう。