「鼻持ちならない」の意味とは?例文・類義語・由来・英語表現を解説!

誰かの態度や言動に「どうも鼻につく」と感じたことはありませんか?

そんな時にぴったりの表現が「鼻持ちならない」です。

これは、自己中心的で傲慢な態度や、不快感を与える言動に「我慢ならない」という気持ちを表す言葉です。

本記事では、「鼻持ちならない」の意味や使い方、類義語や関連する表現、さらにこの言葉の由来についても詳しく解説します。

さらに、英語表現もご紹介するので、コミュニケーションの幅を広げる参考にしてみてください。

慣用句「鼻持ち(-が)ならない」の意味・読み方

意味:臭くて我慢できない。我慢できないほど嫌味である。 出典:デイリーコンサイス国語辞典

「鼻持ちならない」(はなもちならない)は、日本語の慣用句で、ある人の態度や言動があまりに自己中心的で傲慢、不快に感じられ、他人が我慢できない様子を表す表現です。

特に、目立つ自己顕示欲や見下すような態度に対して、「鼻につく」という感覚をより強調した言葉として使われます。

この表現の読み方は「はなもちならない」で、「鼻持ち」がひらがな表記になることもあります。

表記には「鼻持ちがならない」も見られますが、意味に変わりはありません。

「鼻持ちならない」は、「鼻につく」という言葉に由来します。

「鼻につく」は不快感を意味する表現で、そこから転じて耐えがたい感覚や我慢ならないという意味が含まれるようになりました。

このため、「鼻持ちならない」は一層強い不快感を表す表現となっています。

「鼻持ちならない」の例文・使い方を紹介

ではこの章では、日常のさまざまなシチュエーションにおける具体的な例文や使い方を紹介します。

<友人との会話>

あの人のいつも自分が一番正しいと言わんばかりの態度、ほんとに鼻持ちならないね。
<職場でのシチュエーション>
あの上司の自慢話は毎回聞かされるけど、正直、鼻持ちならなくて耐えられない。

<家族の会話>

兄が最近、何かにつけて他人を見下すような言い方をするから、鼻持ちならないんだよ。

<飲み会での一言>

あの人、偉そうに上から目線で話すから、鼻持ちならなくて話を聞くのが辛い。

<SNSの投稿>

SNSでやたらと自分の成功ばかりアピールしてくる投稿、見ていると鼻持ちならなくなってくる。

使い方のポイント

相手の態度が傲慢だったり過度に自己顕示的なときに、不快感を表す場面で使われます

周囲の反感を買うような言動や、空気を読まない行動にも使用されることが多いです。

ビジネスシーンや友人関係、家族との会話など幅広い場面で、他人の態度に対する不快感をやや強めに伝える表現です。

「鼻持ちならない」の言い換えや類義語は?

この章では、「鼻持ちならない」の言い換えや類義語についてご紹介します。

言い換え・類義語意味例文
鼻につく(はなにつく)その人の態度や行動が不快で、見たり聞いたりするのが耐えがたい状態。彼の自慢話は、鼻につくからあまり聞きたくない。
我慢ならない(がまんならない)耐えられない、許せないという強い感情を表す言葉。彼のあの態度には本当に我慢ならない。
気に障る(きにさわる)相手の言動が不快で、心に引っかかること。彼の言い方は、私にとって気に障る。
鼻をつまむような(はなをつまむような)何かが不快で耐えられない状況を表すが、具体的に「鼻持ちならない」のように他人の態度を指すわけではない。その映画はストーリーがあまりにも不快で、思わず鼻をつまむような気持ちになった。
反吐が出るような:(へどがでるような)極度に不快な状況や行動を示す。強い嫌悪感を表す表現で、「鼻持ちならない」と似た意味合い。あの不正行為を聞いたとき、ヘドが出るような思いをした。
顰蹙(ひんしゅく)ものの他人から非難や嫌悪を受けるような行動や態度。あの発言は顰蹙(ひんしゅく)もののもので、誰もが驚いてしまった。
虫唾が走る(むしずがはしる)相手の態度や発言に対して、強い嫌悪感や腹立たしさを覚えること。もともと「虫唾」は古語で「むしず」と読み、体内で悪気が込み上がってくる様子を指しており、強い不快感を表現します。彼の自慢話ばかり聞かされていると、虫唾が走る。
唾棄すべき(だきすべき)軽蔑すべき、捨て去るべきという意味で、強い嫌悪感を表す。彼の行動は唾棄すべきものであり、誰もが非難している。
癇に障る(かんにさわる)相手の言動や振る舞いがいら立ちを引き起こし、神経に触るように不快に感じること。小さなことでも気になる際に使われやすく、我慢できない感情を表現します。あの人の話し方が癇に障って、どうにも我慢できない。

「鼻持ちならない」の由来

「鼻持ちならない」という表現の由来は、「嫌なにおいを嗅ぎ続けると鼻がもたない」という感覚から生まれたという説が有力です。

もともとは物理的に耐えられない臭気に対する嫌悪を表現していたものが、次第に他人の自己中心的な態度や高慢な振る舞いに対する心理的な不快感を意味するようになったとされています。

このように、嗅覚で感じる「耐え難さ」が、相手の態度への嫌悪感や不快さにまで広がったと考えられます。

「鼻持ちならない」に関するQ&A

  • 「鼻持ちならない」は「ウザい」と同じ意味?
  • 「鼻持ちならない」を英語で言うと?

「鼻持ちならない」に関するよくある疑問は上記の通りです。

ここからそれぞれの疑問について詳しく解説していきます。

「鼻持ちならない」は「ウザい」と同じ意味?

最近よく不快感を表す表現で「ウザい」という言葉が聞かれます。

特に若い人の間で使われる言葉のようですが、「鼻持ちならない」と「ウザい」それぞれの意味を見比べて、その違いや使い分けを理解しておきましょう。

「鼻持ちならない」の意味

「鼻持ちならない」は、相手の自己中心的な態度や高慢さに対して、我慢できないと感じるときに使われます。

特に、他人を見下したり、周囲の気持ちを無視したような態度に対して「耐え難い」と思う場面で使われやすい表現です。

不快感に加えて「我慢がならない」という強い嫌悪が含まれています

「ウザい」の意味

一方、「ウザい」は、面倒くさかったり、わずらわしさを感じるような相手や状況に対して使われる、日常的で砕けた表現です。

相手の態度や言動に対して、軽い不快感やいら立ちを表すことが多く、特に親しい間柄やカジュアルな会話で使われることが一般的です。

違いと使い分け

「鼻持ちならない」は、相手の態度そのものが不快で許せない気持ちを表し、「ウザい」は気軽に使える、少しのいら立ちやうっとうしさを表現する言葉です。

「鼻持ちならない」は強い嫌悪感を込めた表現で、ややフォーマルなシーンでも使えますが、「ウザい」はカジュアルな会話に適しているため、相手や場面を選ぶ表現です。

このように「鼻持ちならない」と「ウザい」は似た部分があるものの、使う場面や表現の強さが異なります。

相手との関係性やシチュエーションに合わせて、適切に使い分けることで、言葉のニュアンスをより的確に伝えられるでしょう。

「鼻持ちならない」を英語で言うと?

英語にも「鼻持ちならない」と同様の感情や状況を表す言葉がいくつか存在します。

以下で、適した英語表現をいくつか紹介します。

Unbearable / Intolerable鼻持ちならない」という感情をそのまま表現できるのが、”unbearable”(耐えられない)や”intolerable”(我慢できない)です。相手の態度や言動が不快で、受け入れられない気持ちを強調したいときに適しています。His arrogance is simply unbearable.
(彼の傲慢さには本当に我慢ならない。)
Arrogant / Overbearing相手の態度が傲慢であることを表す際には、”arrogant”(傲慢な)や”overbearing”(威圧的な)がよく使われます。これらは、自己中心的で周囲に配慮がなく不快な態度を取る人物に対して使います。Her overbearing attitude makes her hard to tolerate.
(彼女の威圧的な態度には我慢がならない。)
Full of oneself「自信過剰」「自分本位」といった意味のスラング的表現として、”full of oneself” もよく使われます。相手が自己中心的であるため、他人に不快感を与えている状況にぴったりです。He is so full of himself, it’s impossible to deal with him.
(彼は自己中心的で、付き合うのが難しい。)
Conceited「鼻持ちならない」に近い表現で、相手が過度に自信を持ち、他人を見下しているような印象を持つときに使われます。Her conceited remarks make her unbearable to listen to.
(彼女のうぬぼれた発言には耳を傾ける気にもなれない。)
Annoying / Insufferable「ウザい」「我慢できない」に近いニュアンスを持つ “annoying” や “insufferable” も使いやすい表現です。これは、相手の振る舞いが嫌悪感を引き起こし、付き合いにくいと感じる際に使えます。His constant bragging is absolutely insufferable.
(彼の自慢ばかりの態度には、どうにも我慢できない。)

まとめ:「鼻持ちならない」の意味・例文を理解しよう

「鼻持ちならない」という表現は、相手の態度や言動にどうにも我慢ならない不快感を感じたときにぴったりの言葉です。

日常の中で、この表現を使うことで、相手の自己中心的な態度や嫌味に対して抱く心情を的確に表現できます。

相手の態度に嫌気がさしたとき、うまく使いこなしてみてはいかがでしょうか。