「猫の手も借りたい 」とは?意味・例文など小学生にも分り易く解説!

忙しくて手が足りないとき、誰でもいいから手伝ってほしい!そんな気持ちを表す言葉に「猫の手も借りたい」という慣用句があります。

この言葉にはどんな意味があり、どんな場面で使われるのでしょうか?

この記事では、「猫の手も借りたい」の意味や由来をわかりやすく解説し、例文や使い方も紹介します。

小学生でも理解しやすい内容にまとめていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

慣用句「猫の手も借りたい」の意味・読み方

意味:非常に忙しい。 出典:デイリーコンサイス国語辞典

「猫の手も借りたい」(ねこのてもかりたい)という言葉は、日本語の慣用句の一つです。

この表現は、主に忙しさを強調する際に使われるフレーズとして知られています。

この慣用句の意味は、「とても忙しくて、人手が足りず、誰でもいいから手伝ってほしいと思う様子」を指します。

「猫の手」というのは、通常であれば役に立たないものの例えとして使われており、そのような存在であっても助けが欲しいほど切羽詰まった状態を表現しています。

小学生にも分かる「猫の手も借りたい」の例文・使い方を紹介

「猫の手も借りたい」という言葉は、忙しいときに使われる慣用句です。

この章では、小学生にも分かりやすい例文と、実際にどのように使えばよいかを紹介します。

例文

学校での例

明日の学芸会の準備でとても忙しくて、先生が「本当に猫の手も借りたいくらいだよ」と言っていました。

家での例

年末の大掃除で家族みんなが忙しくて、お母さんが「猫の手も借りたいくらいだね」とつぶやきました。

地域活動での例

町内会のイベント準備で人手が足りなくて、「こんなに忙しいと猫の手も借りたい気分だよ」と誰かが言っていました。

使い方のポイント

  • 忙しさを強調: この言葉は、「とても忙しい」という気持ちを相手に伝えるときに使います。
  • 軽いユーモアを含む: 「猫の手」という表現がユーモラスなため、深刻すぎない場面で使われることが多いです。
  • 誰かに助けをお願いするとき: 直接「手伝ってほしい」と頼む前の前置きとして使うと、柔らかい印象を与えます。

「猫の手も借りたい」の言い換えや類義語は?

「猫の手も借りたい」という慣用句には、忙しさや人手不足を表す言い換え表現や類義語がいくつか存在します。

この章では、それらの言葉を紹介し、それぞれのニュアンスの違いや使い方について解説します。

言い換え表現意味例文
てんてこ舞い(てんてこまい)非常に忙しくて慌てている様子。「猫の手も借りたい」と同様に忙しさを表しますが、慌てている感情が強調されます。忙しすぎて、毎日てんてこ舞いだ。
東奔西走(とうほんせいそう)東へ西へと忙しく駆け回ること。忙しく動き回る様子を具体的に描写する表現です。プロジェクトの締め切りが近づき、東奔西走している。
盆と正月が一緒に来たよう普段は起こらないような忙しさが一度に押し寄せること。例えがユーモラスで、状況の大変さを和らげつつ伝える表現です。予想外の注文が次々と入り、まるで盆と正月が一緒に来たようだ。
八方ふさがり(はっぽうふさがり)どの方向にも手が回らず、困り果てた状態。忙しさというより、追い詰められた感覚が含まれます。大量の仕事が押し寄せて、八方ふさがりの状態だ。
目が回るほど忙しい忙しすぎて、頭が混乱する様子。視覚的な表現で、極度の忙しさを伝えます。朝から晩まで働き詰めで目が回りそうだ。
類義語意味例文
人手が足りない必要な人数が不足している状態。 忙しさよりも、具体的な人員不足を強調する表現です。このイベントの準備には人手が足りない。
忙殺される(ぼうさつされる)忙しさに押しつぶされるような状態。忙しさの度合いが非常に高いことを示します。毎日仕事に忙殺されている。
あたふたする忙しさのあまり、落ち着きを失う様子。「猫の手も借りたい」よりも、焦りや戸惑いの感情が強調されます。 急な予定変更で、みんなあたふたしていた。

「猫の手も借りたい」を言い換える場合は、具体的な状況や伝えたいニュアンスに合わせて表現を選ぶことが大切です。

たとえば、忙しさそのものを強調したい場合は「てんてこ舞い」や「目が回るほど忙しい」、人手不足を強調したい場合は「人手が足りない」が適しています。

「猫の手も借りたい」の語源・由来

「猫の手も借りたい」という表現は、「非常に忙しくて、何でも良いから手助けが欲しい」という状態を指します。

一般的に「猫」は、自由気まま、のんびり日向ぼっこでもしていて手助けとしてあまり役に立たないイメージの存在です、

それでも「猫の手を借りたいほど」忙しい状況を示すことで、その切迫感を象徴的に表現しているのです。

この表現が生まれた背景としては、農作業や家事、商売などで人手が不足しがちな状況が挙げられます。

例えば、大きな仕事をこなす際には「少しでも人手が欲しい」と切実に感じる場面が多かったと考えられます。

ただし、この表現がいつ頃から使われ始めたのかについては明確な証拠はなく、江戸時代の文献などに直接的な記述が見られるわけではありません。

現代の国語辞典では「役に立たない猫の手さえも借りたいほどの忙しさ」を表す比喩表現として説明されており、少なくとも日常生活に浸透したのは比較的古い時代からと推測されます。

「猫の手も借りたい」に関するQ&A

  • なぜ”猫”の手なのか?
  • 「猫の手も借りたい」の対義語は?
  • 「猫の手も借りたい」を英語で言うと?

「猫の手も借りたい」に関するよくある疑問は上記の通りです。

ここからそれぞれの疑問について詳しく解説していきます。

なぜ”猫”の手なのか?

「猫の手も借りたい」で「猫」が選ばれた理由は、猫が日常生活の中で特に「役に立たない」象徴的なイメージを持たれていたためです。

他の動物ではなく猫が選ばれた理由には、以下のような点が考えられます。

  • 猫は、愛らしい動物でありながら、どちらかというと自立心が強く、自分のペースで行動するため、人の手助けをする動物としては想像しにくい存在です。このため、「猫の手を借りる」という表現は、手助けとして非現実的であることを強調する比喩として効果的です。
  • 猫は古くから日本の家庭に親しまれており、飼い猫として身近な動物でした。そのため、人々にとって猫のイメージが理解しやすく、日常的な会話の中で使いやすかったと考えられます。
  • 犬や馬などの動物は、仕事を助ける象徴として用いられることが多いのに対し、猫はその役割を担うことが少ない動物とみなされていました。「役に立つ」とされる動物とは対照的に、猫の手を借りるという発想はより滑稽でインパクトのある比喩表現となります。
  • 猫の手(前足)は物理的に小さく、器用ではないため、実際に何かを手伝うイメージが湧きにくいことも一因です。この「小さく非力な手」が忙しさとのギャップを生むことで、表現としての面白さが際立ちます。

これらの要素が合わさり、「猫の手」が比喩表現として選ばれたと考えられます。

「猫の手も借りたい」の対義語は?

「猫の手も借りたい」は「非常に忙しい状況で、どんな手助けでも欲しい」という切迫感を表す表現です。

この対義語となる表現は、「忙しくない状況」や「人手が十分に足りていること」を示すものが考えられます。

以下にいくつか挙げてみます。

対義語意味例文
暇を持て余す(ひまをもてあます)文字通り、することがなく退屈している状態を指します。忙しさとは対照的に、余裕がありすぎて時間を持て余している様子を表します。休日は暇を持て余して、特にすることがなかった。
悠々自適(ゆうゆうじてき)自分のペースでゆったりと暮らしている様子を表す四字熟語です。忙しさから解放され、心の余裕がある状態を示します。定年後は悠々自適な生活を楽しんでいる。
暇(ひま)単純に忙しくない状態を示す言葉です。仕事や予定がなく、時間的に余裕があることを表します。今日は珍しく暇で、部屋の掃除をする余裕もある。
手が空いている(てがあいている)他にやるべきことがなく、時間に余裕がある状態を示します。忙しくなく、手が何もしていない状態です。今、手が空いているので、手伝おうか?
余裕がある(よゆうがある)物理的または精神的なゆとりがあり、忙しくない状態を指します。時間やエネルギーが余っている状態です。今週は余裕があるから、旅行に行けるかもしれない。

「猫の手も借りたい」を英語で言うと?

「猫の手も借りたい」という日本語の表現を英語に訳す場合、同じような意味を伝えるフレーズを使うことができます。

以下、いくつかの英語表現をご紹介します。

英文意味・解説例文
I’m swamped事や用事が山積みで、非常に忙しい状態を指します。「swamped」は「沼に沈んだ」という意味があり、忙しすぎて動けない様子を表します。このフレーズは日常的な会話でよく使われ、助けが欲しいときに使われます。I’m swamped with work right now. Can you help me out?
(今、仕事で手一杯なんだ。手伝ってくれる?)
I could use a hand助けが必要だという意味。この表現は、「手が足りない」「誰かの助けが必要だ」という意味で使います。忙しさや困難な状況に直面しているときに、誰かの支援を求める表現です。I could use a hand with this project. It’s more work than I expected.
(このプロジェクトで手を貸してほしい。予想以上に大変なんだ。)
I’m up to my ears in (something)何かに圧倒されるほど忙しい状態を指します。「耳まで〜に浸かっている」という表現で、忙しさに圧倒されていることを示します。多くの仕事や責任に追われているときに使います。I’m up to my ears in paperwork. I don’t know how I’ll get it all done.
(書類仕事で忙しすぎて、全部終わらせられるか分からない。)
I’m buried in work仕事に埋もれている、つまり非常に忙しいという意味。文字通り、「仕事に埋もれている」という意味で、物理的にも精神的にも忙しさに圧倒されている状態を表します。I’m buried in work and could really use some help.
(仕事に埋もれていて、本当に手伝ってほしい。)
I’m drowning in work仕事に溺れているという意味で、非常に忙しい状態を表します。 文字通り、「溺れている」という意味を使い、仕事が多すぎて手が回らないことを強調しています。I’m drowning in work. Do you mind helping me out?
(仕事に溺れているんだ。手伝ってくれない?)

まとめ:「猫の手も借りたい」の意味・例文を理解しよう

「猫の手も借りたい」とは、非常に忙しくて助けが必要な状態を表す日本語の表現です。

どんな小さな助けでもありがたいという気持ちを込めて使います。

この表現は、忙しさや困難さを強調する際にぴったりです。

忙しい時期に「猫の手も借りたい」と感じることはよくありますが、そんなときは周りに助けを求める勇気を持ちましょう。

あなたの周りにも手を貸してくれる人がきっといるはずです。