「足が出る」の例文を紹介!意味・使い方・類義語・語源・由来を解説

日常生活で使われることわざや慣用句には、昔ながらの知恵やユーモアが込められているものが数多くあります。

「足が出る」という表現もその一つです。

この言葉を聞くと、実際に足がどこかに出ている様子を想像してしまうかもしれませんが、実際の意味は少し違います。

この記事では、「足が出る」の意味や使い方を分かりやすく解説し、実際の例文を交えて紹介します。

また、類義語やこの表現の語源・由来についても触れることで、「足が出る」の理解をさらに深めることができます。

ぜひ最後までご覧ください!

慣用句「足(脚)が出る 」の意味・読み方

意味:予算を超過する。 出典:デイリーコンサイス国語辞典

「足(脚)が出る」という慣用句は、日常会話や文章でしばしば使われる表現で、「あしがでる」と読みます。

「脚」と漢字で書くこともありますが、一般的には「足」と表記されることが多いです。

「足が出る」は、予定や予算を超えて余計な費用がかかってしまうことを意味します。

たとえば、買い物や旅行などで予算を立てたにもかかわらず、思った以上にお金を使いすぎてしまった状況を指します。

また、転じて、隠していたことが表に出てしまうという意味で使われることもあります。

このように、「足が出る」は金銭面や秘密の露見など、計画や期待が崩れるニュアンスを持つ表現です。

「足が出る 」の例文・使い方を紹介

「足が出る」という表現は、特にビジネスや日常生活で、スケジュールの遅れや予算オーバー、予想外の費用が発生した際に使われる便利な慣用句です。

この章では、具体的な例文を通じて、その使い方を詳しく解説します。

日常会話

旅行のスケジュールを詰め込みすぎて、予定外のホテル代がかかり、足が出ちゃった。(計画以上にお金を使ってしまった状況)
セール品を買いすぎた上に、送料がかかって足が出てしまった。(思わぬ費用で予算がオーバーした状況)
ビジネスシーン
隠していたプロジェクトの遅延が、取引先とのスケジュール調整で足が出た。(ビジネス上の計画が表に出てしまった状況)
この追加費用でプロジェクト全体の予算が大きく足が出そうだ。(計画以上の費用が発生し、予算を超える見込み)
収支を確認したら、送料や雑費が予想以上にかかり、どうしても足が出てしまう部分がある。(収入を支出が上回るお金の管理ミス)

使い方のポイント

  • ビジネスの現場では、予算オーバーや計画外の費用発生時に頻繁に使われます。
  • スケジュールや財務計画に関連した問題を表現するのに便利な言葉です。
  • ネガティブな状況を表しますが、深刻すぎない軽いニュアンスで使われることが多いです。

「足が出る」は、お金やスケジュールの問題を手軽に表現できる便利な慣用句です。

適切な状況で使い、コミュニケーションを円滑にしてみましょう!

中学生にも分かる「足が出る 」を使った短文を紹介

「足が出る」という表現は、大人だけでなく中学生にも使いやすい慣用句です。

特に、お金や計画がうまくいかない場面で役立つ言葉として覚えておくと便利です。

ここでは、中学生にも分かりやすい具体的な短文をいくつか紹介します。

合宿の費用が予算を超えてしまい、足が出た。 (予算オーバーで追加のお金が必要になった状況)
文化祭の装飾にこだわりすぎて、予算に足が出ちゃった。(予定していた以上に費用がかかった場面)
試験範囲を全部終わらせるつもりだったけど、計画に無理があって足が出た。(スケジュール通りに進められなかった状況)
ゲームを買ったら送料がかかって、今月のお小遣いで足が出てしまった。(予定以上にお金を使いすぎた状況)
みんなとおそろいの文房具を買ったら、足が出ちゃった。(予算以上にお金を使ってしまった場面)

「足が出る」は、お金の失敗だけでなく、スケジュールや計画のミスにも使える表現です。

覚えておくと、作文や会話で活躍すること間違いなしです!

「足が出る 」の言い換えや類義語は?

「足が出る」は、予算や計画がオーバーしてしまう状況を表す慣用句としてよく使われます。

同じ意味を持つ言葉や、文脈に応じた言い換え表現、また類似の意味を持つ表現を知ることで、さらに豊かな表現が可能になります。

本記事では、「足が出る」の同義語、言い換え表現、類義語を詳しく紹介します。

同義語

まずは、「足が出る」とほぼ同じ意味を持つ同義語を見ていきましょう。

同義語意味例文
赤字になる(あかじになる)支出が収入を上回る状態を指します。金銭的な状況に特化した表現で、特に経済的な文脈でよく使われます。旅行の出費が想定以上で赤字になった
損失が出る(そんしつがでる)損害やマイナスが発生することを表します。幅広い場面で使用可能です。計画の変更により予算を超え、損失が出てしまった
採算が合わない(さいさんがあわない)コストと収益が釣り合わず、利益が見込めない状況を指します。特にビジネスの場面で使われます。このプロジェクトでは採算が合わないことが明らかになった。

言い換え表現

言いかえ表現意味例文
予算を超える(よていをこえる)計画した金額を超過することをシンプルに表現します。急な出費で予算を超える結果となった。
帳尻が合わない(ちょうじりがあわない)計画や収支のバランスが崩れることを表します。金銭だけでなく、時間やリソースの不足にも適用可能です。追加の作業が増え、帳尻が合わなくなった
計画が狂う(けいかくがくるう)スケジュールや計画が予想外の方向に進む状況を指します。金銭以外の場面にも広く使えます。予算オーバーで計画が狂ってしまった

類義語

類義語意味例文
身の丈に合わない(みのたけにあわない)自分の能力や予算を超えた行動をすることを指します。無理をした結果としての失敗を強調したいときに便利です。身の丈に合わない生活を続けた結果、借金が増えた。
無駄遣いする(むだづかいをする)不必要な出費をすることを表します。金銭的な失敗を強調する際に適しています。無駄遣いをして家計に足が出る状態になった。
余裕がなくなる(よゆうがなくなる)物理的、金銭的、または精神的に限界に達することを意味します。より広範な文脈で使用可能です。想定外の出来事で時間に余裕がなくなり、予定が狂った。

「足が出る 」の語源・由来は?

「足が出る」という表現は、現代では主に「予算オーバー」や「隠しごとが明るみに出る」といった意味で使われています。

この慣用句には、いくつかの語源や説が存在します。以下に、それぞれの背景を解説します。

① 隠しごとがあらわれる(「馬脚」を語源とする説)

「足が出る」の意味の一つ、「隠しごとが表に出る」という解釈は、芝居に登場する「馬脚(ばきゃく)」が語源とされる説があります。

舞台劇では、馬が登場する場面で、人が馬のかぶり物をして演じます。

しかし、何らかのミスで馬の足に人の足が見えてしまうと、観客に「馬ではなく人が演じている」とバレてしまいます。

このことから、「馬脚をあらわす」(意味:隠しごとや真相が露見する)という表現が生まれ、転じて「隠しごとが明らかになる」という意味で「足が出る」と使われるようになったと言われています。

② 出費が予算を超過する(「予算オーバー」の意味に関連する説)

「足が出る」のもう一つの意味である「予算や費用が予定を超過する」にも、複数の説があります。

「お足」(お金)に由来する説

江戸時代には、お金を「お足」と呼ぶことがありました。

これは「金は天下の回りもの」という考え方から、お金が人々の間を巡るものとして比喩的に表現されたものです。

この「お足」が転じて、「足が出る」という表現が「お金が予定を超えて使われてしまう」という意味で使われるようになったと言われています。

着物の寸法に由来する説

仕立て屋で着物を作る際、予算内で生地を選んだものの、足りない場合には、裾から足が見えてしまうことがあります。

このような「寸足らず」な状況が、「予算オーバーで思うようにいかない」という意味で「足が出る」という表現に発展したとする説です。

「足が出る」は、「隠しごとが表に出る」という側面と、「予算や費用が超過する」という2つの意味を持っています。

これらの背景には、江戸時代の生活文化や芝居、さらには当時の経済観念が色濃く反映されており、日本語の奥深さを感じさせるものです。

この記事を通して、この表現の歴史やニュアンスをより深く理解していただければ幸いです。

「足が出る 」に関するQ&A

  • 「足が出る 」の対義語は?
  • 「足が出る 」を英語、中国語で言うと?
  • 「足が出る 」なぜ足なのか?

「足が出る 」に関するよくある疑問は上記の通りです。

ここからそれぞれの疑問について詳しく解説していきます。

「足が出る 」の対義語は?

「足が出る」は、予算オーバーや隠しごとが露見する状況を指す表現です。

この対義語として、いくつかの表現が挙げられます。

以下に、それぞれの対義語の意味と例文をまとめて紹介します。

予算や費用が予想より少なく済む場合の対義語

対義語意味例文
黒字になる収入が支出を上回り、利益が出る状態を意味します。計画的に予算内で収め、利益が出る場合に使います。今年のイベントは予算をしっかり守った結果、黒字になった。
採算が合う収支が均衡し、支出と収入がちょうど釣り合うことを意味します。計画通りに物事が進んで、無駄な費用が発生しない場合に使います。新しい商品の販売は予想通りに採算が合った。
やりくりがうまくいく限られた予算内で上手にやりくりし、支出を抑えることができる状態を表します。今年の家計はやりくりがうまくいき、無駄遣いを減らすことができた。
お釣りが来た予想以上の結果や、期待以上に良いことが起きたときに使う表現。特に、何かを支払ったり、投資したりしたことに対して、それ以上のものが返ってくる状況で使われます。プロジェクトに少し投資しただけなのに、予想以上に利益が上がってお釣りが来た。
費用が浮く予定した費用よりも少なく済み、余分にお金が残ることを指します。予算を少し削ったおかげで、費用が浮いてきた。
予算が浮く予算内で計画が進み、余分にお金が残ることを意味します。予算を調整して、最終的に予算が浮く結果になった。

 

隠しごとや真実が露見しない場合の対義語

対義語意味例文
表沙汰にならない問題や秘密が公にならず、周囲に知られることがない状態を指します。その問題は表沙汰にならず、誰にも気づかれることなく解決した。
計画が順調に進む計画通りに問題がなく進行し、途中での障害がない状態を意味します。新しいプロジェクトは計画が順調に進み、問題なく終わった。
バレない隠していたことや秘密が相手に知られることなく、そのまま保たれる状態を指します。彼女のサプライズパーティーは、最後までバレないように慎重に準備した。

「足が出る 」を、英語、中国語で言うと?

「足が出る」を英語や中国語で表現すると、直接的な訳語は少ないですが、同じような意味を持つ表現がいくつかあります。

この記事では、英語と中国語における表現を紹介し、それぞれの言語でどのように「足が出る」の意味が伝わるかを解説します。

【英語で言うと】

英語意味例文
Go over budget(予算を超過する)予算を超えて支出が増えてしまうことを表します。Our project went over budget because of unexpected expenses.
(予期しない費用が発生したため、私たちのプロジェクトは予算を超過しました。)
To be over the limit(限度を超える)計画や予算などが設定された限度を超えること。The cost of repairs was over the limit we had set.
(修理費用は私たちが設定した限度を超えていました。)
o go beyond the allocated amount(割り当てられた金額を超える)割り当てられた予算や金額を超えることを意味します。The spending on the event went beyond the allocated amount.
(そのイベントの支出は割り当てられた金額を超えてしまいました。)

【中国語で言うと】

中国語意味例文
超出预算”(chāo chū yùsuàn)予算を超過すること。 我们这个项目的支出超出了预算。
(私たちのこのプロジェクトの支出は予算を超過しました。)
超出限额”(chāo chū xiàn’é)限度を超えてしまうこと。这次购买超出了限额。
(今回の購入は限度を超えてしまいました。)
花费超支”(huāfèi chāo zhī)支出が予算を超過すること。因为意外的支出,我们的花费超支了。
(予期しない支出のため、私たちの支出は予算を超過しました。)

「足が出る 」なぜ足なのか?

「足が出る」という表現における「足」の意味について考えると、なぜ「足」が使われているのかが気になるところです。

この記事では、言葉の背後にある理由や歴史的背景について解説し、「足が出る」の成り立ちに迫ります。

「足が出る」の「足」の意味

「足が出る」という表現における「足」は、物理的な体の部分としての足を指すだけでなく、「物事が予定よりも超過する」「隠れていた部分が現れる」といった意味を持つ象徴的な存在として使われています。

この「足」という言葉が何を意味するのか、以下にいくつかの考えられる理由を紹介します。

  •  物事の限界を表す「足」の象徴性

「足」は、何かを進める際の限界や歩みのペースを象徴していると考えられます。

例えば、歩く速度や距離を示す「足」は、物事が予算や計画に沿って進む限度を表すものとして使われる事がよくあります。

そのため、予定以上に支出が増えた場合や予算を超えてしまった場合に「足が出る」と表現されます。

  • 「足が出る」の歴史的背景

古くから、衣服や物品の寸法において「足りない」部分を指す言葉としても「足」が使われていました

例えば、着物の袖やズボンが寸足らずだった場合、その不完全な部分が「足」と表現され、「足りないもの」や「予定に合わせられない」というニュアンスが含まれるようになったと考えられます。

こうした背景から、予定や予算を超えてしまった場合に「足が出る」という表現が使われるようになったのです。

  • 「足元」が示す範囲

「足元」という言葉は、物事の基盤や土台を意味することがあります。

そこから転じて、「足が出る」とは、物事が自分の想定や計画からはみ出す、つまり基盤から外れて予算や計画を超過してしまうことを示すようになったとも考えられます。

 

以上の通り、「足が出る」という表現の「足」は、限界を象徴し、計画や予算がそれを超えてしまうことを示しています。

また、古くは寸足らずや不完全な部分を指す言葉として使われ、徐々に予算や計画の超過を示す言葉へと発展していったと考えられます。

このように、言葉の裏にある意味を理解することで、「足が出る」の成り立ちがよりクリアになります。

まとめ:「足が出る 」の意味・例文を理解しよう

「足が出る」は、予算を超過したり、計画が思い通りに進まなかったりする状況を表す表現です。

この記事ではその意味や使い方、例文を紹介しました。

今後、予算オーバーや計画の変更、予期しない事態に直面したとき、この表現を使うことで、より豊かなコミュニケーションが生まれることでしょう。

自分の周りで「足が出る」という状況を見かけたとき、ぜひこの記事で学んだ内容を思い出し、適切に使ってみてくださいね。